【完全解決】クラウド会計の銀行連携トラブル!明細が自動取得できない3つの原因と解決策

管理者

「クラウド会計ソフト(freee会計、マネーフォワード クラウドなど)を使い始めたのに、銀行口座の明細が自動で取り込まれない!」「急に連携が切れてしまった!」

こんな銀行連携トラブルは、クラウド会計を利用する方にとって非常によくある、そして困る問題です。

しかし、ご安心ください。ほとんどのエラーは、あなたの口座やシステムに重大な問題があるわけではなく、おおむね3つのパターンに分類されます。

この記事では、クラウド会計銀行連携に関するトラブルの原因を解説し、いますぐ試せる解決策を具体的に紹介します。

以前は順調だった銀行連携が突然止まったり、最初からうまくいかなかったりする原因は、日本の銀行のシステムが、より安全で便利な「新しい仕組み(API連携)」へ移行している過渡期にあるからです。

銀行連携の「新しい仕組み」って何?

以前の会計ソフトは、皆さんがインターネットバンキングにログインする画面の情報を「こっそり読み取る」古いやり方を使っていました。この方法だと、銀行がサイトのデザインやURLを少し変えただけで、連携が止まってしまうという弱点がありました。

そこで今、金融庁の指導のもと、銀行は「API連携(エーピーアイ連携)」という新しい仕組みに移行しています。

以前のやり方(古い仕組み)新しいやり方(API連携)
銀行の画面を読み取る(不安定)銀行と会計ソフト専用の「安全な窓口(API)」を使う(安定)
銀行サイトが変わるとすぐ切れる銀行サイトが変わっても影響されにくい

このAPI連携は「簡単・確実」に明細を取得できるメリットがありますが、セキュリティが強化されたぶん、連携を維持するために利用者側の「設定の更新」が必須となる場面が増えました。これが、現在のトラブルの多くを引き起こす原因となっています。

銀行連携がうまくいかないときは、まず以下の3つのパターンに当てはまらないか確認しましょう。

パターン1:銀行側の「重要なお知らせ」が原因でロックされている(最重要!)

実は、これが最も見落とされがちな原因です。

銀行は、お客様に規約の変更やセキュリティに関する重要なお知らせを「必ず読んでほしい」と考えています。そのため、インターネットバンキングに未読の「重要なお知らせ」が表示されている間は、「お客様がまだ見ていないから、自動で明細を取るのは一旦ストップ!」という安全のためのロックがかかってしまうのです。

【解決策】

  1. 連携先の銀行サイトにログインする
  2. 表示されているすべてのお知らせ(重要なお知らせ、規約変更など)を確認し、未読の状態を解消する。
  3. クラウド会計ソフトに戻り、手動で明細の更新を試みる。

これだけで問題が解決するケースが非常に多いです。

パターン2:パスワードが変わった!「認証情報」が古いケース

クラウド会計ソフトが銀行と連携するために使っている「認証情報(ログインIDやパスワードなど、連携のためのカギ)」が、古くなって失効しているパターンです。

  • 原因1: 連携の「カギ」の期限切れ:API連携の場合、セキュリティ上の理由から、設定した認証情報は一定期間(例:数ヶ月)で自動的に期限切れになるように設計されています。
  • 原因2: 銀行側のパスワードを変更した:インターネットバンキング側のパスワードを変更すると、クラウド会計ソフトに登録している古い認証情報も使えなくなります。

【解決策】

  1. クラウド会計ソフトの「口座連携の設定」画面を開く。
  2. 該当の口座の「取得状態」や「認証」の状況を確認する。
  3. 「再認証」または「再入力」ボタンをクリックし、現在の正しいログイン情報(パスワードなど)を入力し直す。

また、お客様の口座の状態そのもの(利用停止や情報更新の必要など)が原因で連携が止まることもあります。この場合は、クラウド会計ソフトではなく銀行に直接問い合わせて、口座の状態を回復させる必要があります。

パターン3:連携の「仕様」そのものに原因があるケース

これは、設定ミスではなく、ソフトと銀行のデータ連携のルールや仕様上の制約によるトラブルです。

  • 原因1: 連携方式がAPIに強制移行した:銀行側が「古いやり方はもうやめます」と決め、新しいAPI方式に強制的に切り替えた場合に起こります。
  • 原因2: 取得期間外の明細を取得しようとしている:freee会計などのソフトでは、「明細の取得期限が過ぎている」期間のデータは同期できません。
  • 原因3: 複数のソフトで同じ口座を登録している:同一の銀行口座を複数のソフトや別のアカウントでAPI連携させると、情報が競合してエラーになることがあります。

【解決策】

  1. 強制移行の場合:クラウド会計ソフトの「登録済一覧」画面で、口座の「取得状態」に「設定エラー」や「再連携を行ってください」というメッセージが出ていたら、案内に従って新しいAPI方式での設定を最初からやり直します
  2. 取得期間外のデータの場合:銀行が連携を許可している期間より古いデータは、CSVファイルを銀行サイトからダウンロードして、手動で会計ソフトに取り込む方法を検討しましょう。
  3. 認証情報の競合の場合:同じ口座のAPI連携はどちらか一方のソフトに限定し、もう一方のソフトではCSVファイルでの取り込みに切り替えることが推奨されています。

トラブルが発生した際、どこに原因があるか探すのは大変です。まずは、この3ステップを上から順番にチェックしてみてください。

優先順位ステップ確認・対処法
最優先1. 銀行サイトをチェック連携先の銀行サイトにログインし、未読の「重要なお知らせ」がないか確認する。全て確認後、手動更新。
第2優先2. 認証情報を再設定クラウド会計ソフト側で、口座の「認証」欄を確認し、「再認証」または「再入力」を行う。パスワードが変わっていないか注意。
第3優先3. メンテナンス情報を確認銀行やクラウド会計ソフトのサポートサイトで、メンテナンス情報やシステム障害がないかを確認する。

問い合わせ先の見極めが重要!

  • クラウド会計ソフトに聞くべき:連携エラーのメッセージが具体的で、システム側の問題が疑われる場合。「現在連携できないため一時停止中です」のようなメッセージが出ているとき。
  • 銀行に直接聞くべき:あなたの口座の状態そのものに問題がありそうな場合(例:口座の利用停止、本人確認報の更新が必要)。

クラウド会計の銀行連携トラブルは、今後も断続的に発生する可能性があります。

最も効果的な予防策は、「自動でやってくれる」と任せきりにせず、「連携のカギ」を能動的に管理する習慣をつけることです。

  1. 月に一度は銀行サイトをチェックする:最低でも月に一度はインターネットバンキングにログインし、「重要なお知らせ」を読んでロックを未然に防ぎましょう。
  2. パスワード変更時は即座に再認証:銀行側のパスワードを変更したら、その日のうちに会計ソフト側の再認証も済ませましょう。

これらの対策を実行すれば、クラウド会計をより快適で安定的に使いこなすことができ、確定申告や日常の経理業務もスムーズに進められるはずです。

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