マネーフォワードAPIで業務が変わる!できること・導入メリットを徹底解説
マネーフォワードクラウドを使用していると、たまに出てくる「API」という言葉。実は知っていると、より便利にマネーフォワードクラウド活用できるようになる可能性があるんです。
この記事では、「マネーフォワードクラウド」のAPIに焦点を当て、「APIってそもそも何?」「何ができるの?」「導入するとどんないいことがあるの?」といった疑問に、やさしく丁寧に解説していきます。
日々のデータ入力や転記作業に追われている方、バックオフィス業務をもっと効率化したいと考えている方は、ぜひ最後までお読みください。この記事を読めば、マネーフォワードのAPIがあなたのビジネスをどう変えることができるのか、その可能性にきっとワクワクするはずです。
そもそもAPIって何?マネーフォワードAPIの基本
まずは「API」という言葉の正体から探っていきましょう。
APIは「アプリとアプリをつなぐ魔法のパイプ」
APIとは「Application Programming Interface(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)」の略です。…と言われてもピンとこないですよね。
もっと簡単に言うと、APIは「異なるアプリやサービス同士をつなぎ、機能やデータをやり取りするためのパイプ役」のようなものです。
例えば、飲食店のウェブサイトによく埋め込まれているGoogleマップ。あれもAPIの技術が使われています。
お店のウェブサイトは、GoogleマップのAPIというパイプを通じて「この住所の地図を表示して!」とお願いするだけで、自前で地図システムを開発しなくても、高機能な地図をサイトに表示できるのです。
このように、APIがあるおかげで、世の中の便利なサービスを自分のサービスに簡単に組み込むことができるのです。
マネーフォワードクラウドのAPIでできること【業務自動化の具体例】
では、マネーフォワードクラウドのAPIにはどのようなものが用意されているのでしょうか。
1. 銀行やクレジットカードの明細を自動で取得
マネーフォワードの最も基本的な機能の一つが、銀行口座やクレジットカードの情報を連携し、取引明細を自動で取得することです(アカウントアグリゲーション)。
- できること:
一度、お使いの銀行口座やクレジットカード、電子マネーなどを登録すれば、あとはマネーフォワードが自動で入出金履歴や利用明細を取得し続けます。
クラウド会計には金融機関との連携方法がいくつかあるのですが、APIを使った連携は、金融機関のウェブサイトのデザイン変更などの影響を受けにくく、安定してデータを取得できるというメリットがあります。
2. 請求・経費・支払業務をまるごと自動化
公開されているAPIを使用してマネーフォワード以外のシステムとも連携することができます。
- マネーフォワード クラウド請求書API
- できること:
Salesforceなどの顧客管理システム(CRM)と連携し、請求書を自動で作成するといったことができるようになります。公開されているチュートリアルやAPIリファレンスを参照して、独自開発したシステム等との連携が可能です。
- できること:
営業から経理への請求依頼などを自動化することができます。請求漏れや請求額の間違いなど、ミスを防ぐこともできます。
- マネーフォワード クラウド経費・債務支払API
- できること:
経費・支払いの申請や、申請が承認されるとその内容を自動的に通知するといったことができるようになります。公開されているドキュメントを参照して、独自開発したシステム等との連携が可能です。
- できること:
出張申請や原価管理システムとの連携による、経費・支払いフローの自動化などが実現できます。
3. 給与計算の手間を大幅に削減
毎月の給与計算も、API連携で効率化できます。
- マネーフォワード クラウド給与API
- できること:
King of Timeなどの特定の勤怠管理システムと連携し、従業員の労働時間や残業時間といったデータを自動で取り込み、給与計算に反映させることができます。 - 業務の変化:
勤怠データを手作業で集計し、給与計算ソフトに入力する手間がなくなります。計算ミスも減り、給与計算業務の負担を大きく軽減します。
- できること:
請求書・経費・支払債務APIの始め方と気になる料金
「メリットはわかったけど、導入するのは難しいんじゃないの?」と不安に思うかもしれません。ここでは、導入のステップと料金について解説します。
導入のステップ
API連携を実現する方法は、大きく2つあります。
- 自社で開発する(または開発会社に依頼する)
エンジニアがいる場合は、マネーフォワードが提供する「アプリポータル」でアプリケーションを登録し、認証に必要な情報(Client IDなど)を取得して開発を進めます。 - iPaaSツールを使う(プログラミング不要!)
「プログラミングはわからない…」という方でも「Yoom」や「BizteX Connect」といったiPaaS(アイパース)と呼ばれるツールを使えば、画面上でブロックを組み合わせるような感覚で、様々なサービスを連携させることができます。
「Googleスプレッドシートに新しい行が追加されたら、マネーフォワードに請求書を作る」といった自動化のルールを設定可能です。
気になる料金と注意点
- 料金
マネーフォワードのAPIを利用すること自体に、追加の料金はかかりません。ただし、契約している「マネーフォワード クラウド」の料金プランによって、APIでできることの範囲や、1ヶ月に利用できる回数に制限が設けられている場合があります。
特に「クラウド請求書API」で請求書を大量に自動作成したい場合は注意が必要です。プランごとの作成上限は以下のようになっています。
| プラン名 | APIによる請求書作成の上限 |
| ひとり法人プラン | 100件/月 |
| スモールビジネスプラン | 100件/月 |
| ビジネスプラン | 無制限 |
本格的な自動化を目指すなら、「ビジネスプラン」の契約を検討するのがおすすめです。
- 注意点
API連携は非常に便利ですが、いくつか知っておくべき点もあります。- 連携先への依存: マネーフォワード側でAPIの仕様が変更された場合、自社の連携システムも修正が必要になる可能性があります。
- セキュリティ管理: API連携に必要な「合言葉(Client Secretなど)」は、自社で厳重に管理する責任があります。
まとめ:API活用で、ビジネスを次のステージへ
今回は、マネーフォワードのAPIについて、その基本から具体的な活用法、導入メリットまでを詳しく解説しました。
標準機能で利用できるもの以外は、開発者向けの機能となるので、お手軽に利用というわけにはいきませんが、
- 手作業のデータ入力を減らしたい
- 転記ミスや請求漏れをなくしたい
- もっとリアルタイムに経営状況を把握したい
といったことが、業務や経営上の深刻な課題となっているのであれば、API連携による業務自動化は、あなたの会社が抱える課題を解決する大きな一歩となるはずです。
まずは自社の業務の中で「この作業、自動化できないかな?」と考えてみることから始めてみてはいかがでしょうか。
※この記事は2025年10月時点の情報をもとに作成しています。

セブンセンス株式会社
コンサルタント
【プロフィール】
2015年、セブンセンス株式会社に入社。 前職の会計ソフトベンダーにおけるシステム提案の経験を活かし、中小企業を中心としたバックオフィス業務の改善コンサルティングを担当。業務効率化やDX推進を支援する傍ら、デジタルマーケティング領域も管轄している。
freee、マネーフォワード、OBC、PCA、ソリマチなど、主要な会計ソフトベンダーの認定資格を多数保有しており、各社のシステムに精通した中立的な視点でのツール選定・導入支援に強みを持つ。





