マネーフォワードAPIの使い方|連携で業務を自動化する注意点も解説
まずは知っておこう!マネーフォワードAPIの種類
マネーフォワードは、会計、請求書、経費精算など、様々なクラウドサービスを提供しており、その多くが製品ごとに独立したAPIを持っています。
現在、開発者が一般的に利用できる主なAPIは、法人向けの「マネーフォワード クラウド」シリーズのものです。
| APIの種類 | 主な役割 |
| クラウド請求書 API | 請求書の作成や管理を自動化します。インボイス制度にも対応しています。 |
| クラウド経費 API | 経費精算に関するデータを外部システムから操作できます。 |
| クラウド債務支払 API | 支払依頼や買掛金の管理を自動化します。 |
API連携を始めるための3ステップ【認証の仕組み】
APIを利用するには、まず「あなたは誰で、どの情報にアクセスする許可を持っていますか?」という確認作業、つまり「認証」が必要です。これは、セキュリティを守るための非常に重要な手続きです。
マネーフォワードAPIでは、「OAuth 2.0」という世界標準の安全な仕組みが使われています。難しく聞こえるかもしれませんが、「安全に鍵を貸し借りする仕組み」とイメージしてください。
手順は大きく分けて3つのステップです。
ステップ1:アプリケーションを登録して「身分証」をもらう
最初に、あなたが開発するシステム(アプリケーション)をマネーフォワードに登録します。
登録が完了すると、Client IDとClient Secretという2つの情報が発行されます。これは、あなたのアプリ専用のIDとパスワードのようなもので、APIの世界での「身分証」となります。
【超重要ポイント】
連携したいサービスごとに、アプリケーションを個別に登録する必要があります。例えば、「クラウド経費」で発行したIDを「クラウド債務支払」のAPI実行で使うことはできません。
ステップ2:ユーザーに「許可証」を発行してもらう
次に、マネーフォワードの利用者に、あなたのアプリがデータにアクセスすることを許可してもらいます。
ユーザーが特別なURLにアクセスすると、アプリの承認の同意画面が表示されます。ユーザーが「承認」ボタンを押すと、OAuth2 のフローに基づき認可コードつきURLが発行されます。
ステップ3:「身分証」と「許可証」で「合鍵」を手に入れる
最後に、あなたのアプリは、ステップ1の「Client IDとSecret」とステップ2の「認可コード」を含むリクエストをサーバーに発行します。
情報が正しければ、サーバーは「アクセストークン」という特別な「合鍵」を発行してくれます。
この合鍵を使って、ようやくAPIにアクセスし、データをやり取りできるようになります 。
このアクセストークンには有効期限がありますが、同時に発行される「リフレッシュトークン」を使えば、ユーザーが毎回操作しなくても新しい合鍵を自動で取得できます 。
実際に、APIを使ってみたい!という方は下記のサイトを参考にしてみてください。



導入前に!マネーフォワードAPI 3つの注意点
API連携は非常に便利ですが、導入する前に知っておくべき「ルール」や「制約」があります。これらを知らないと、開発が途中で止まってしまったり、システムがうまく動かなかったりする可能性があります。
注意点1:APIでは「できないこと」もある(機能的制約)
マネーフォワードの画面でできる操作のすべてが、APIでできるわけではありません。公開されている資料をよく読み込んでから設計するようにしてください。
注意点2:使いすぎに注意!(レートリミット)
APIは、サーバーに過度な負荷がかかるのを防ぐため、「1分間(または1時間)に呼び出していい回数」に上限が設けられています。これを「レートリミット」と呼びます。
- 具体的な制限値の例
- クラウド請求書API:一部の機能は1秒あたり3回まで。
- クラウド債務支払API:契約プランにより1時間あたり300回or3,600回まで。
【最重要】API利用のルール(利用規約)を守ろう
APIを利用する際は、マネーフォワードが定める利用規約を必ず守る必要があります。規約違反は、APIの利用停止に繋がる可能性もあるため、特に以下の点はしっかり理解しておきましょう。

セブンセンス株式会社
コンサルタント
【プロフィール】
2015年、セブンセンス株式会社に入社。 前職の会計ソフトベンダーにおけるシステム提案の経験を活かし、中小企業を中心としたバックオフィス業務の改善コンサルティングを担当。業務効率化やDX推進を支援する傍ら、デジタルマーケティング領域も管轄している。
freee、マネーフォワード、OBC、PCA、ソリマチなど、主要な会計ソフトベンダーの認定資格を多数保有しており、各社のシステムに精通した中立的な視点でのツール選定・導入支援に強みを持つ。





