【徹底比較】弥生会計 vs マネーフォワードクラウド!あなたに合う会計ソフトはどっち?
「個人事業主になったけど、確定申告ってどうやるの?」
「会社の経理をもっとラクにしたい…」
「会計ソフトって色々あるけど、どれを選べばいいかわからない!」
事業を始めたばかりの方や、会社の経理を担当している方なら、一度はこんな悩みを抱えたことがあるのではないでしょうか。特に、2023年10月から始まったインボイス制度や、毎年のようにルールが変わる電子帳簿保存法など、経理のルールはどんどん複雑になっています。
そんな現代のビジネスに欠かせないのが「会計ソフト」です。中でも、特に人気が高く、多くの人に選ばれているのが「弥生会計」と「マネーフォワードクラウド」の2つ。
しかし、いざ選ぼうとすると、「この2つ、何が違うの?」「自分にはどっちが合っているの?」と迷ってしまいますよね。
そこでこの記事では、会計ソフト界の二大巨頭である「弥生会計」と「マネーフォワードクラウド」を、機能、料金、使いやすさなど、あらゆる角度から徹底的に比較します。この記事を最後まで読めば、あなたのビジネスにぴったりの会計ソフトがきっと見つかります!
※この記事は2025年9月時点の情報をもとに作成されています。
そもそも「弥生会計」と「マネーフォワードクラウド」ってどんなソフト?
まずは、2つのソフトがどんな特徴を持っているのか、基本的なプロフィールから見ていきましょう。ソフトが生まれた背景を知ると、その違いがもっとよく分かりますよ。
弥生会計:歴史と信頼の「王道」会計ソフト
「弥生」は、1987年から続く、会計ソフトの草分け的な存在です。パソコンにインストールして使うデスクトップ版は、長年日本の会計ソフト市場で圧倒的なシェアを誇り、「会計ソフトといえば弥生」と言われるほどの知名度があります。
弥生会計のポイント
- 歴史と実績がすごい: 長い間使われているので、信頼性が抜群です。
- 税理士さんに人気: 多くの税理士や会計事務所が昔から弥生を使っているため、後発のクラウド会計ソフトに比べて対応している税理士が多いです。
- ラインナップが幅広い:クラウド版とデスクトップ版のそれぞれがあり、白色申告、青色申告、汎用会計ソフトでそれぞれ対象となるユーザーが分かれています。
- バックオフィス最適化も:2023年に発表された弥生Nextでは、バックオフィスをシームレスに連携するという、マネーフォワードクラウドなどの後発のクラウド会計システムのコンセプトに近いサービスも発表されました。
一言でいうと、弥生は「老舗の会計ソフトメーカー」。長年の経験で培われたノウハウで、経理やバックオフィスの仕事をしっかりサポートしてくれる、頼れる存在です。
マネーフォワードクラウド:バックオフィス業務を丸ごと効率化する「革新者」
「マネーフォワード」は2012年に設立された、比較的新しい会社です。もともとは、個人の家計簿アプリ『マネーフォワード ME』で有名になりました。その強みは、たくさんの銀行やクレジットカード、Webサービスと自動で連携できる技術です。
マネーフォワードクラウドのポイント
- 連携できるサービスがとにかく多い: 銀行やカードはもちろん、Amazonなどのネットショップや電子マネーとも連携できます。
- バックオフィスを丸ごとお任せ: 会計だけでなく、請求書の発行、経費の精算、従業員の給与計算など、会社の裏方仕事(バックオフィス)をまとめて管理できます。近年では上場企業などの大規模な企業の利用にも耐えられるような、Plusというシリーズも提供しています。
- 各エディションを通じて統一された操作感:個人事業主向け、法人向けのどちらでも基本的な操作感は変わらないので、一度習得すれば事業規模が変わっても安心して使用することができます。
- 自動化が得意: 連携したデータを使って、面倒な入力作業をどんどん自動化してくれます 。
一言でいうと、マネーフォワードは「バックオフィス全体の司令塔」。会計だけにとどまらず、お金に関わる面倒な作業をテクノロジーの力で丸ごとラクにしてくれる、スマートなパートナーです。
【項目別】どっちがどう違う?機能や使いやすさを徹底比較!
それでは、ここからはいよいよ具体的な違いを比べていきましょう。「料金」「使いやすさ」「自動化」「確定申告」「サポート」など、気になるポイントを一つずつチェックしていきます。
比較①:料金プラン – あなたの予算に合うのはどっち?
ソフト選びで最も気になるのが料金ですよね。両社の料金プランには、はっきりとした考え方の違いがあります。
- 弥生会計の特徴
- 個人事業主がとにかく安く始められる!: 個人事業主の白色申告なら「やよいの白色申告 オンライン」が永年無料。青色申告向けの「やよいの青色申告 オンライン」も初年度無料キャンペーンを頻繁に実施しています。
- サポートの手厚さで料金に差: 青色申告オンラインでは安いプランでも会計機能はしっかり使えます。料金が上がると、電話サポートや仕訳相談が受けられるなど、サポート内容が充実します。弥生会計Nextではエントリープランでは部門管理等の機能制限がありますが、ベーシック/ベーシックプラスプランでは、主にサポート面が料金の違いとなっています。(一部機能の差もあり。)
- マネーフォワードクラウドの特徴
- 使える機能で料金が変わる: 無料プランもありますが、本格的に使うなら有料プランが前提です 。料金プランが上がるにつれて、使える機能やレポートの種類が増えていきます。
- セットで使うとお得になることも: 会計だけでなく、請求書や給与計算もまとめて使いたい場合、別々にソフトを導入する汎用ソフトよりもトータルの費用が安くなるケースが多いです。
| 比較ポイント | 弥生会計 | マネーフォワードクラウド |
| 始めやすさ | ◎ (無料プランが充実) | ◯ (無料トライアルあり) |
| 料金体系 | 主にサポート内容で料金が変わる | 主に機能や利用人数で料金が変わる |
| コスト感 | 買い切りのデスクトップ版ソフトもあり。 | バックオフィス全体で使うなら割安 |
【ワンポイント】
まずはコストをかけずに会計ソフトを試してみたい個人事業主の方は弥生、将来的に経理以外の業務も効率化したいと考えているならマネーフォワードが向いていると言えそうです。
比較②:使いやすさ(操作画面) – 初心者でも大丈夫?
毎日使うものだから、操作のしやすさは重要です。
- 弥生会計の使いやすさ
- シンプルで分かりやすい: 機能が絞られているため、画面がごちゃごちゃしておらず、初心者でも「どこを触ればいいか」が分かりやすいという声も多いです。
- デスクトップ版は会計ソフトらしい見た目:白色申告、青色申告はクラウド版・デスクトップ版で機能は大きく変わりませんが、デスクトップ版は昔ながらのソフトのような印象があります。
- 弥生会計Nextは独自のUI:青色申告オンラインとは違い、弥生会計Nextはマネーフォワードに近いUIですが、よりシンプルな構成です。
- マネーフォワードクラウドの使いやすさ
- 取り込みがメイン: 銀行などから自動で取り込んだ取引データ以外にも、所定フォーマットのExcelに入力した取引データをインポートすることができます。これによって現金出納帳などで勘定科目がないデータでも、スピーディーに処理することができます。
- 多機能ゆえの複雑さも: できることが多い分、メニューの数も多く、会計に慣れていない人だと最初は少し戸惑うかもしれません 。簿記の知識が少しあると、よりスムーズに使いこなせます 。
比較③:自動化機能 – 面倒な入力をどこまで減らせる?
クラウド会計ソフトの最大の魅力は「自動化」。銀行口座やクレジットカードと連携して、取引データを自動で取り込み、入力の手間を大幅に削減してくれます。
- 銀行・サービス連携
- 連携可能なサービスは同等: 弥生Nextが連携できる金融機関を全国1,100以上・金融機関のサービスを2,500以上と表示しているのに対し、マネーフォワードは2,300以上の金融関連サービスと連携と表示しています。集計方法の詳細が不明なためはっきり優劣は付けられませんが、どちらも主要な金融機関にはほとんど対応しているものと思われます。
- レシート読み取り
- どちらもスマホで完結: 両社とも、スマホのカメラでレシートを撮影すると、日付や金額を自動で読み取ってデータ化してくれる機能を搭載しています。(弥生は「弥生 レシート取込アプリ」、マネーフォワードクラウドは「MF確定申告」というアプリで対応可能)ただし、スマホで撮影時点で仕訳を登録するか(マネーフォワード)、撮影だけして後から仕訳を登録するか(弥生)、といった部分に違いがあります。
- 経費精算もスムーズ:従業員からレシートを回収するのであれば、経費精算アプリがお勧め。どちらのソフトも連携するスマホアプリを提供しているので、申請~承認~会計連携がスムーズに行えます。
比較④:サポート体制 – 困ったときに頼れるのは?
新しいソフトを使い始めるとき、サポート体制は気になりますよね。ここにも両社の思想の違いが表れています。
- 弥生会計のサポート
- 電話サポートが心強い: なんといっても電話サポートがしっかりしているのが最大の魅力です。個人事業主向けの青色申告では、ベーシックプランから電話サポートが利用できます。法人向けの弥生会計Nextはベーシックプラスプランから電話サポートが利用できます。操作が分からなかったり、エラーが出たりしたときに、専門のオペレーターと直接話しながら解決できるのは大きな安心材料です。
- 注意点: 確定申告の時期など、繁忙期は電話が繋がりにくくなることもあります。
- マネーフォワードクラウドのサポート
- チャットやメールが基本: 個人向けの上位プラン(パーソナルプラスプラン)のみ電話サポートが用意されていますが、法人向けや個人向けのスタンダードなプランには電話サポートが用意されていません。
- 自己解決が得意な人向け: FAQ(よくある質問)ページなども充実しているため、自分で調べながら問題を解決するのが得意な人に向いています。
【ワンポイント】
「パソコン操作に自信がない」「緊急のときは直接話して解決したい」という方は弥生。「チャットでのやり取りで十分」「自分のペースで調べたい」という方はマネーフォワードを選ぶと良いでしょう。
比較⑤:会計以外の機能(請求書・給与計算など)
事業が大きくなってくると、請求書の発行や従業員の給与計算といった業務も出てきます。
- 弥生会計の場合
- 連携できるサービスは少な目: 弥生Nextでは会計、請求、経費精算といったサービスを連携して使用することができます。2025年9月時点では給与Nextの連携はありませんが、今後連携を予定されているそうです。
- マネーフォワードクラウドの場合
- 幅広いサービスをオールインワンで提供: 多くのプランに請求書作成や給与計算機能が標準で含まれています。(ただし、利用する従業員数で料金が変わるものもあり。)作成した請求書が自動で売上として記録されたり、給与計算の結果が人件費として自動で仕訳されたりと、機能間の連携が非常にスムーズです。勤怠や労務管理、債務管理などのサービスも連携して提供されています。
【ワンポイント】
会計だけでなく、経理や人事に関する業務をまとめて効率化したいなら、オールインワンのマネーフォワードが一歩リードしています。ただし、各業務の要件をよく確認して、すべてをマネーフォワードクラウドで対応できるかの検討をしっかり行いましょう。
【結論】あなたにおすすめなのはどっち?タイプ別診断
さて、ここまで様々な角度から2つのソフトを比較してきました。最後に、あなたのタイプ別にどちらのソフトがおすすめか、ズバリ診断します!
✅「弥生会計」がおすすめな人
- とにかく安く始めたい!開業したての個人事業主・フリーランス・小規模な法人
- 理由:白色申告オンラインの無料プランや青色申告オンラインの初年度無料キャンペーンが超強力!
- 経理は初めてで不安…手厚いサポートが欲しい人
- 理由:困ったときに直接話せる電話サポートは、何よりの安心材料です。
- クラウドではなくデスクトップソフトを使いたい人
- 理由:インターネットが無くても使えるデスクトップ版を希望する場合は、弥生会計でスタートするのは最適な選択肢です。
✅「マネーフォワードクラウド」がおすすめな人
- 会計だけじゃなく、バックオフィス全体の最適化をしたい会社
- 理由:バックオフィス業務を一つのソフトで管理でき、業務全体の効率が格段にアップします 。
- 上場を視野に入れていたり、ある程度の規模感のある会社
- 理由:内部統制やガバナンスを重視した運用であったり、従業員数が50名を超える中小〜中堅程度の規模感のある企業の運用でも耐えられるようなプランが用意されています。
まとめ:あなたに合う最高のパートナーを見つけよう!
今回は、人気の会計ソフト「弥生会計」と「マネーフォワードクラウド」を徹底比較しました。
- 弥生会計は、信頼と実績の王道ソフト。手厚いサポートと導入のしやすさが魅力で、特に会計初心者や個人事業主、税理士との連携を重視する方におすすめです。
- マネーフォワードクラウドは、バックオフィス全体を自動化する革新的なプラットフォーム。豊富な連携機能で、会計だけでなく請求や給与計算なども含めて効率化したい、成長意欲の高い企業に最適です。
どちらのソフトが優れている、というわけではありません。大切なのは、あなたの事業の状況や、何を一番効率化したいのかという目的に合わせて選ぶことです。
幸い、どちらのソフトにも無料のプランやトライアル期間が用意されています。ぜひ一度、実際に触ってみて、その使い心地を確かめてみてください。
この記事が、あなたのビジネスを加速させる最高のパートナー選びの助けになれば幸いです。

セブンセンス株式会社
コンサルタント
【プロフィール】
2015年、セブンセンス株式会社に入社。 前職の会計ソフトベンダーにおけるシステム提案の経験を活かし、中小企業を中心としたバックオフィス業務の改善コンサルティングを担当。業務効率化やDX推進を支援する傍ら、デジタルマーケティング領域も管轄している。
freee、マネーフォワード、OBC、PCA、ソリマチなど、主要な会計ソフトベンダーの認定資格を多数保有しており、各社のシステムに精通した中立的な視点でのツール選定・導入支援に強みを持つ。





