【完全ガイド】税理士が教える「税務調査」対策|勘定科目別 〜人件費編〜

管理者

「売上」「仕入」に続き、今回のテーマは「人件費(給与)」です。 給与計算は毎月発生するルーティン業務であるため、「前月と同じように処理していれば大丈夫」と考えがちです。しかし、実はその「慣れ」の中に、税務調査で指摘されやすいリスクが潜んでいます。

そこで本コラムでは、セブンセンスグループの税理士監修のもと、税務調査で必ずチェックされる「人件費」の4つの重要ポイントを解説します。

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今回は、「人件費」、特に「給与」について伺います。
従業員への給与支払いは毎月発生する重要な処理ですが、税務調査ではどのような点が注目されやすいのでしょうか?

給与については、毎月発生する処理であるがゆえに「慣れ」でミスが出やすく、調査でも非常に多くの項目が見られる分野です。特にポイントとなるのは以下の4つです。

1つ目は、「役員報酬の扱い」です。

法人の役員に対する報酬は、「定期同額給与」であることが原則です。
つまり、原則として毎月同じ金額を支払っていないと、損金算入が認められません。
たとえば、
「今月は資金繰りが厳しいから少なくして、翌月に多く払おう」というような
イレギュラーな支給は、税務上は“利益操作”とみなされるおそれがあります。

また、賞与についても注意が必要です。
あらかじめ「事前確定届出給与」を税務署に提出していなければ、損金算入が認められません。
この届出には、提出期限があります。
提出期限や詳細な要件については、国税庁の事前確定届出給与の案内をご参照いただくか、
不明点があれば弊グループまでお気軽にご相談ください。

2つ目は、「親族への給与支給と勤務実態の整合性」です。

親族、たとえば社長の奥様やお子様に給与を支払っている場合、
調査では「勤務実態があるか」が重点的に確認されます。
仮に「会計ソフトの入力を手伝ってもらっている」と言っても、
勤務時間・業務内容・頻度が明確でないと
「実態のない給与=架空人件費」とみなされかねません。
他の従業員がいる場合には、彼らの業務内容や賃金水準との比較検討もされるので要注意です。

また、個人事業主の場合、
配偶者などに給与を支払うには「青色事業専従者給与に関する届出」が必要で、
この提出がない場合には支給額全体が否認されるリスクがあります。

3つ目は、「源泉徴収と納付の適正性」です。

給与や報酬の支払いには、源泉所得税の徴収義務があります。
適切な金額を源泉し、所定の期限までに納付しているかは、調査で必ずチェックされます。

また、外注費として処理している報酬が、
実態として「指揮命令関係のある業務」だった場合、
「これは給与ではないか」と判定されることも。
このようなケースでは、源泉徴収漏れを指摘されることがあります。

実際には、消費税や所得税にも影響が出ることがあります。
判断が難しいケースもありますので、
不安な場合は早めに専門家またはセブンセンス税理士法人までお気軽にご相談ください。

4つ目は、「架空雇用・ダミー人件費の可能性」です。

実際に勤務していない人に給与を支払っていたり、金額が著しく不自然だったりすると、
「架空人件費」として否認される可能性があります。
たとえば、出勤簿の打刻時間が毎日機械的であったり、
実際には現場で確認されていない従業員の存在などが典型例です。


なるほど。
形式的に支払っているだけではダメで、実態と記録の整合性が問われるんですね。
調査でよく見られる書類には、どんなものがあるのでしょうか?

調査官がよく確認するのは以下のような資料です。

調査でよく見られる資料
  • 給与台帳、源泉徴収簿、支給明細書
  • 実際の振込明細
  • 出勤簿、タイムカード
  • 雇用契約書や職務内容の記録
  • 就業規則、賃金規程、役員報酬決定議事録
  • 青色専従者給与の届出書(個人事業主の場合)

これらが整理されていて、帳簿と矛盾なく繋がっている状態にしておくことが大切です。

最後に、日常的に気をつけておくべき点について、まとめていただけますか?

はい。給与について日々意識しておきたいポイントは以下のとおりです。

  1. 役員報酬は「定期同額」を厳守、賞与は「事前確定届出」を必ず行う
  2. 親族等への給与には、勤務実態を裏付ける記録を必ず残す
    (業務内容・出勤記録など)
  3. 源泉徴収税の計算・納付の期限を正確に守る
    (外注と給与の区分にも注意)
  4. 帳簿の金額と実際の支払が一致していることを、証憑で示せるようにしておくこと

「慣れている処理だからこそ油断しやすい」分野でもありますので、
今一度チェック体制を見直してみていただけると良いかと思います。
また、給与は税務だけでなく
社会保険や労働基準法の観点でも多くの法的ルールが関係しています。

今回ご紹介したのは税務調査の視点に限った内容ですが、
もし社会保険や労務管理の点で不安がある方は、専門家にご相談されるのが安心です。

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